2025年01月30日

葛湯(くずゆ)

とろりとなめらかな口当たりの「葛湯」。温かくやさしい飲み心地で、身も心も癒されますね。消化が良く、昔から風邪のひきはじめに飲むと良いといわれている葛湯の特徴や作り方をご紹介します。寒い季節、葛湯でほっと温まってみませんか?

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■葛湯のもとは「葛粉」
「葛湯」は、葛粉をお湯で溶いた飲み物です。また、葛粉を使って作られる葛餅、葛切り、葛饅頭なども古くから伝わるおいしい和菓子です。その舌触りは、寒天やゼラチンとも違うなめらかさがあります。

秋の七草でもある「葛」はマメ科の植物。その葛の根を砕いて水に浸しておくと、デンプン質が水に溶けて下の方にたまってきます。何度も水を入れ替え、沈殿を繰り返すことで不純物が取り除かれて真っ白なデンプンになります。これが「葛粉」です。
市販の「葛粉」には、葛粉100%の「本葛」といわれるものと、ジャガイモやサツマイモなどの芋からとったデンプンを混ぜたものがありますが、「本葛」は生産量が少ないので貴重で高価なものになっています。

■体にやさしい「葛湯」
葛湯には体を温める効果があり、風邪の引き初めや冷え性などにも良いといわれます。消化・吸収が良いので、胃腸が弱っているときにもおすすめの飲み物です。とろみによって冷めにくいため、時間をかけてゆっくり飲むことで、しっかりと体が温まります。
また、漢方薬としておなじみの「葛根湯(かっこんとう)」にも葛が使われています。他の生薬とブレンドされており、風邪のひきはじめに飲むと、体を温め、解熱発汗、筋肉のこわばりを和らげるなどの効果があります。

■葛湯の作り方
葛湯を作るときのポイントは、次の2点。
1、葛粉を水で溶くこと(お湯で溶くとダマになってしまいます)
2、透き通るまでよく練ること

シンプルな作り方をご紹介します。
①鍋に葛粉(本葛、または本葛混合)と水を入れて、ダマがなくなるまでよくかき混ぜます。
※水は少なめに入れて、溶けて来たら足すと良いでしょう。葛粉と水の割合は1:10を目安にお好みで。
②しっかり溶けたら鍋を中火にかけ、ゴムベラなどを使って、絶えずかき混ぜます。
③沸騰してきて、色が透き通り、しっかりととろみがついたらできあがりです。

基本的に葛の粉には味がありませんが、少し苦みを感じる場合もあります。お好みで砂糖または少量の塩などを入れると良いでしょう。

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■葛湯のおいしいアレンジ
葛湯はお好みで様々なアレンジが楽しめます。
甘い飲み物として楽しみたいときは、砂糖、りんごジャムや柚子ジャム、オレンジマーマレードなどを加えてみましょう。さらに生姜で風味を足しても温まりそうです。
はちみつもおいしいですが、はちみつにはアミラーゼというデンプンを分解する酵素が含まれているため、初めから入れるととろみが付きにくくなります。
砂糖とともに抹茶やココアなどを加えて、抹茶葛湯、ココア葛湯もおすすめです。

甘くないほうが好き、食事代わりにというときは、少量のみそや梅干しなどで塩味を足しても。だし汁やスープにあらかじめ溶いた葛粉を入れて混ぜれば、 とろみたっぷりの汁ものができ上ります。食事の一つとしても楽しめそうですね。

葛湯は小さい子どもから高齢の方まで、体調が悪い時や食欲がない時でも飲みやすいもの。様々なアレンジでおいしくいただきながら、体を温め、元気に過ごしましょう。

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