2018年05月25日

アスパラガス

アスパラガスの旬は春から初夏にかけてです。緑色のグリーンアスパラガスは通年ありますが、一番おいしいのは旬の頃で、国産のものが多く出回ります。また、白色のホワイトアスパラガスはこの時期に出回る季節の味です。このふたつは同じ品種ですが、栽培方法の違いによって変化したものです。


■アスパラガスの歴史

アスパラガスはユリ科の多年草で、ヨーロッパでは紀元前から食用にされていました。日本で食用に栽培され始めたのは明治時代初期で、北海道開拓に伴って導入され、大正時代以降本格的に栽培されるようになりました。当初はホワイトアスパラガスがメインで、そのほとんどが缶詰になっていましたが、その後、グリーンアスパラガスが好まれるようになり、青果で流通するようになりました。ホワイトアスパラガスの栽培は減少しましたが、ホワイトアスパラガスも青果で流通するようになり、人気が出ています。出荷量の多い地域は北海道や長野県、佐賀県、長崎県などです。


■グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスの違い

・グリーンアスパラガス

一般的に流通しているのはグリーンアスパラガスがほとんどです。
食用になっているのは地上に伸びてくる新芽の茎の部分。栽培時に日光を浴びると茎が緑色になります。歯ごたえが良く、独特の風味と甘味があっておいしいですね。旬のものは根元の方までやわらかく風味も豊か。
収穫は春から秋と長いのですが、冬場はオーストラリアやメキシコなどからの輸入物が店頭に並びます。

pixta_16551746_S.jpg

・ホワイトアスパラガス

一方、ホワイトアスパラガスは芽が出る春先に盛り土や遮光フィルムで日光が当たらないようにして育てたもので、全体が白いままです。缶詰用に加工されたものはやわらかいですが、生のホワイトアスパラガスは皮が固めなので、皮をむいてから調理します。食感はやわらかく甘みがあります。
ホワイトアスパラガスは栽培に手間がかかり、傷みやすいので流通量が少なく、価格もグリーンアスパラガスより高めです。生で出回るのも旬のこの時期だけです。

pixta_19748542_S.jpg


■アスパラガスをおいしく食べるには

・選び方

茎が太めでまっすぐと伸びて張りがあり、穂先が締まったものを選びましょう。鮮度が落ちたものや成長しすぎたものは穂先が開いています。茎の細すぎるものや縦スジの多いものも食感が悪いので避けましょう。

・グリーンアスパラガスの調理のポイント

グリーンアスパラガスはサラダ、グラタン、ソテーなど、何にでも使える食材ですが、調理の前に下茹でをしましょう。塩を加えた熱湯に根元の方から入れ、少し歯ごたえが残るくらいのゆで加減で取り出し、氷水に放ち粗熱をとってから水気をきります。ゆですぎると味も栄養も落ちてしまうので注意しましょう。

炒め物の時などは、生から炒めた方が風味豊かです。穂先と根元の加熱ムラを少なくするために切り方などを工夫してみるといいですね。天ぷらやフライなどの揚げ物の時は、生のまま根元の部分を残して衣をつけて揚げると風味が良く、見た目もおいしそうです。

・ホワイトアスパラガスの調理のポイント

ホワイトアスパラガスも下茹でして使いますが、皮がかたいので皮をピーラーで薄くむいてからゆでます。白い色をきれいに仕上げるには塩だけでなく、レモン汁も加えてゆでると良いそうです。また、ゆであがったらゆで汁の中につけたまま冷ますと風味が良くなります。

ホワイトアスパラガスもグリーンアスパラガスと同様、どんな料理にもよく合いますが、旬の味をしっかりと感じるにはシンプルな料理がおすすめです。たとえば、ゆであがったホワイトアスパラガスを食べやすい大きさに切って、白だしに浸しておき、程よく味が染みたら取り出してかつお節をのせていただきます。


■アスパラガスの栄養

アスパラガスにはβカロテンや葉酸などのビタミン類、カリウムなどが含まれ、ゆでても栄養素が流出しにくいという特徴があります。
また、アスパラギン酸も豊富に含まれています。アスパラギン酸は新陳代謝を促し疲労回復に効果があるといわれています。また、穂先にはフラボノイド色素のひとつルチンが含まれています。ルチンは、血管を丈夫にするといわれています。
なお、ホワイトアスパラガスよりもグリーンアスパラガスの方が栄養価は高いです。

旬の時期はお値段も安めになるので、いろんなお料理で味わいたいですね。

ページトップへ