「春告げ鳥」ともいわれる鶯(うぐいす)。そのかわいらしい姿を模した和菓子が「うぐいす餅」です。春を感じさせるお菓子ですが、手作りでも簡単においしくできるので、わが家風の「うぐいす餅」を作って楽しんでみては?
■うぐいす餅の色は青大豆のやさしい色
うぐいす餅は、求肥(ぎゅうひ)で餡を包み、青大豆のきな粉をまぶしたものです。
青大豆を炒ったきな粉は「うぐいすきな粉」とも呼ばれ、普通のきな粉より、緑がかった色で独特の甘みと香りがあります。青大豆は収穫量が少ないので、青大豆のきな粉も流通量が少ないようです。
よく鶯と間違えられるのがメジロですが、メジロは鶯よりもはっきりとした若草色。一方、鶯は薄茶に近い緑で渋め。この色は日本の色「鶯茶(うぐいすちゃ)」の元の色にもなっています。青大豆のほんのりと緑がかった色が鶯らしいのかなと思います。
うぐいす餅の由来の一説に、1585年、豊臣秀吉をもてなす茶会で、菊屋治兵衛が献上した、餡を餅で包み、きな粉をまぶした餅菓子を秀吉がたいそう気に入り、「うぐいす餅」と命名したという説があります。秀吉の目に、鶯がどんな風に映っていたのか興味深いですね。
■うぐいす餅の作り方
家庭で作るときは、餡を包む求肥作りがポイント。求肥は、こねた白玉粉に砂糖や水あめなどを加えて練り、蒸して、薄い餅のようにしたものです。蒸すところは電子レンジを使うと便利です。
●材料(12個分)
こし餡...240g
白玉粉...100g
水...150cc
砂糖...70g
青きな粉(うぐいすきな粉)...大さじ2~3
●作り方
★餡の用意
こし餡を12等分(1個20g)にして丸める。
★求肥を作る
①白玉粉に、水を少しずつ加えながらよく混ぜて溶きのばし、ふるった砂糖を加えてさらに混ぜる。
②ゆるめにラップをかけ、電子レンジ(500W)で2分加熱。いったん取り出して全体を混ぜたら、再度ラップをかけて2分加熱する。
③全体をよく練り混ぜ、なめらかな餅状になったら、青きな粉(大さじ1~2)をふるったトレーにあける。
★包んで成型
①求肥が温かいうちに12等分し、手に青きな粉(適宜)をつけながら丸くのばし、餡をのせて包む。餅の端をひっぱって閉じるようにすると包みやすい。
②俵型に整え、閉じた方を下にして、両端をつまんで鶯の形に。仕上げに青きな粉(大さじ1/2)を茶こしでふるってふりかける。
うぐいす餅は、うまく包めなくても、ひっくり返して青きな粉をかけると見栄え良くできあがります!青きな粉の代わりに、ふつうのきな粉に抹茶などを混ぜて、緑濃く、鮮やかにしても春らしくて良いですね。抹茶の風味がおいしさを引き立てます。餡は、こし餡の方がやわらかな求肥とマッチして、口あたりなめらかでおいしいと思います。
また、電子レンジにかける時間は、機種によって仕上がりが違うこともあるので、少しずつ様子を見て調整してくださいね。
2018年05月25日