初夏に向かって旬を迎える「そら豆」。鮮やかな緑色で実は大きく、塩ゆでにするとほっこりとした食感で豆のうまみが強く感じられます。そのままビールのおつまみにもピッタリ。また、いろいろな料理にも使えます。塩ゆでにするのが基本ですが、おいしく食べるためのポイントがいくつかあります。
■世界中で食されるそら豆
そら豆はマメ科の一年草。3月から4月にかけて薄紫色の小さな花を咲かせ、5月から6月にかけて実をつけ旬を迎えます。
そら豆の歴史は古く、世界中で食されてきました。日本へ伝わったのは奈良時代とする説もありますが、記録に出てくるのは江戸時代になってからで、本格的な栽培が始まったのは明治時代になってからです。
ゆでたり焼いたりして食べるそら豆は完熟前のもので、生(未成熟)のそら豆は野菜に分類されます。完熟し、乾燥(成熟)した豆は豆類に分類され、煎り豆菓子や甘納豆、お多福豆など加工品に使われますが、加工用の豆はほとんどが外国産の乾燥豆だそうです。
■そら豆の名前の由来いろいろ
そら豆は漢字で「空豆」「蚕豆」などと書きます。
「空豆」といわれるのは、実が未熟なうちは空に向かって育っていくから。熟すにしたがってだんだん下を向くようになります。「蚕豆」の字が当てられているのは、蚕を育て始める時期に実るから、また、さやの形が蚕に似ているからなどの説があります。
その他にも「天豆」、旬の時期を指す「四月豆」「五月豆」、冬に植えるので「雪割豆」などの異名があります。
■おいしいそら豆の選び方
「そら豆三日」というように、おいしいのは収穫から3日以内とされ、鮮度が命のそら豆。なるべく新鮮なものを選びましょう。さやから出して売られているものは早く傷むので、さや付きのものがおすすめです。
選ぶ時のポイントはこちらです。
① さやが鮮やかな緑色で艶がある(筋が茶色くなっているものは避ける)
② ふっくらとして表面の産毛がとれていない
③ さやに豆の形がくっきり見え、揃っているもの
④ 触った時にしっかりと弾力がある
⑤ 持った時に重みを感じる
■そら豆のおいしい食べ方
さっと塩ゆでしただけでもおいしいそら豆ですが、下ごしらえとゆで方のコツでさらにおいしく仕上がります
★下ごしらえ
早い時期のものは薄皮ごと食べられますが、皮が固い場合は豆の黒い筋の部分(お歯黒)に1cmほど切り込みを入れておきます。後で皮を剥きやすくなりますし、ゆでるときに皮にしわが寄らず美しく仕上がります。
★おいしいゆで方
鍋にたっぷりの水と2%ほどの塩(水800mlに対して塩大さじ1)を入れ沸騰させ、下ごしらえ済みのそら豆を入れ、ふたをしないでゆでます。ゆで時間は豆の状態にもよりますが、ゆですぎると食感が悪くなるので、2分ほどでひとつ食べてみてゆで加減を確認しましょう。ゆであがったらザルにあげて水気をきります。
ゆでたてアツアツがおいしいですね。切り込みを入れたところから皮がスルッとむけます。サラダにしたり、炒め物にしたりといろいろ使えます。
また、かき揚げなどにするときはゆでずに生のまま、薄皮を取ってから使います。
さや付きのまま焼く、焼きそら豆もおすすめ。バーベキューなどにもぴったりです。
2018年05月26日