夏においしい野菜、「苦瓜(にがうり)」。その名の通り苦みが特徴です。沖縄では「ゴーヤー」と呼ばれゴーヤーと豆腐を炒めたゴーヤーチャンプルーは有名です。
■苦瓜ってどんな野菜?
苦瓜の原産地は、インドや東南アジアといわれています。ウリ科ツルレイシ(ニガウリ)属のつる性の一年草で、世界中に300種類ほどあるそうです。日本に伝わったのは400年ほど前の江戸時代といわれ、 九州や沖縄で栽培が始まりました。沖縄ではゴーヤーと呼ばれており、一年中生産される大変身近な食材です。
表面は緑色でごつごつとしたいぼに覆われています。食用になるのはこの完熟する前の緑色の実で、完熟するとパプリカのような黄色になります。完熟した実は柔らかすぎて食用には向かないとされます。完熟した実の中には、真っ赤なゼリー状の膜に覆われた種が入っていて、普段の調理の時に見る苦瓜とは全く違う中身で、ちょっと驚きます。
葉は大きく、つる性なのでネットなどに這わせて、日除けのグリーンカーテンとしてもよく利用されています。家庭でも手軽に栽培できるので、苦瓜の実を収穫するのも楽しみのひとつです。最近は、白色の苦瓜やいぼのない苦瓜などもあるので、見た目もいろいろ楽しめそうです。
■苦瓜の栄養
苦瓜の特徴は、なんといってもその苦い味。これはモモルディシンという苦み成分が含まれているからです。モモルディシンには食欲を増進させる働きがあります。
また、ビタミンCが豊富に含まれ、疲労回復効果も期待できます。ビタミンCは熱に弱いのですが、苦瓜に含まれるビタミンCは加熱調理をしても壊れにくいので、夏バテ予防にも苦瓜料理はぴったりです。
■苦瓜を選ぶときのチェックポイント
苦瓜を選ぶときには、
・色が濃く鮮やかで表面につやがあるもの。
・実が硬いと感じるくらい張りがあり、ずっしりと重みがあるもの。
などを確認するとよいでしょう。
また、苦い方が大好きな方もいれば、ちょっと苦手という方もいますね。苦みの強さを外から見て判断するポイントは、
・いぼが小さく密集している → 実が若いので苦みが強い
・いぼが大きく緑色も薄い → 実が熟し始めているので苦みが弱い
油炒めなどのときには苦みの強いものがおいしい気がしますが、サラダなどにするときは苦さ控えめがおいしいかもしれませんね。
■苦瓜の下ごしらえ
①苦瓜を縦に半分に切って、種とワタをスプーンなどで取り除いきます。苦みを抑えたいときは白いワタの部分をきれいにそぎ取ります。
②苦瓜を薄切りにして、塩を振ってもみ、10分ぐらいおいてアク抜きをします。
③水洗いして、水気をとります。
このまま冷凍保存することもできます。また、この後ゆでてから冷凍保存しておくこともできます。
■苦瓜のおいしい食べ方
苦瓜は主に炒め物に使われ、苦瓜、豆腐、豚肉、卵を炒めたゴーヤーチャンプルーは代表的。この他いろいろな炒めものに活用できます。炒め物のほかに、さっと茹でてお浸しにしたり、サラダにしたりしても独特の苦みが味のアクセントになって、夏にピッタリの一皿になります。
また、ピザやピザトーストにのせて、トマトやチーズと一緒に食べてもおいしいですよ。
2020年07月20日