2024年07月12日

とうもろこし

夏が旬の「とうもろこし」。とうもろこしは世界中で生産され、食べられていますが、普段、私たちが食べているのは、とうもろこしの中でも「スイートコーン」と呼ばれる品種です。茹でたてのとうもろこしにかぶりつくと、口の中に広がる甘みと風味がたまりませんね。

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■とうもろこしの名前の由来
とうもろこしは、16世紀にポルトガル人によって日本に伝えられたといわれています。当初は黍(きび)に似ていることから、「南蛮黍(なんばんきび)」と呼ばれていました。その後、中国から渡来していた「もろこし」という植物に似ているということで、「唐(とう)のもろこし」という意味で「とうもろこし」となりました。
また、とうもろこしは漢字で書くと「玉蜀黍」。元々「もろこし」は「蜀黍」と書くので、そこに「唐」を付けて「唐蜀黍」になるように思えますが、「玉」と書く理由はとうもろこしの別名「玉黍(たまきび)」の「玉」に替えたからといわれています。また、もろこしは「唐黍」とも書くので「唐唐黍」になってしまうので、「玉」にしたという説もあります。
「玉」という字から、粒がつやつやとしているとうもろこしの様子が目に浮かぶようですね。

■とうもろこしは穀物?野菜?
とうもろこしは、米や小麦と並んで「世界三大穀物」のひとつです。アメリカ大陸が原産のイネ科の穀物で、世界中で生産されています。
とうもろこしには、コーンスターチの原料や家畜の飼料になる「デントコーン」(馬歯種)、「ポップコーン」(爆裂種)、「フリントコーン」(硬粒種)など様々な品種がありますが、日本でとうもろこしといえば、皮が柔らかくて甘みのある「スイートコーン」(甘味種)です。他のとうもろこしは完熟で収穫しますが、スイートコーンは未熟の状態で収穫するので、日本では「野菜」に分類されています。

■スイートコーンの種類
明治時代、北海道開拓を機に本格的な栽培がはじまり、今も北海道が生産量日本一です。
栽培開始当初のとうもろこしは甘みが少なく、収穫後の糖度低下も激しかったため、品種改良が進められてきました。1970年代に人気を誇った「ハニーバンタム」や1980年代の「ピーターコーン」など、甘みの強い、皮も柔らかいとうもろこしの登場で、とうもろこしの需要は急増しました。今は「味来」「ゴールドラッシュ」「サニーショコラ」など、おいしさを追求した新しい品種が次々と登場しています。

■とうもろこしのひげと実
とうもろこしの長いひげのような部分は、とうもろこしのめしべです。一つの粒から1本ずつ伸びているため、ひげの数と粒の数は同じになります。おしべは茎の先端のすすきの穂のような部分で、花粉は風で運ばれ受粉します。
一株にたくさんのとうもろこしができると、栄養が分散しておいしいとうもろこしが育ちにくくなるので、一番生育の良い実を残して、他は未熟なうちに摘み取る摘果を行います。
摘果されたとうもろこしは、ヤングコーン(ベビーコーン)として利用されています。

■おいしいとうもろこし選びはひげがポイント
とうもろこしのひげがフサフサとして茶色や褐色になり、しっとりとしているものがおすすめです。ひげの数は粒の数と同じですから、ひげが多ければ粒が多く詰まっていることになりますし、ひげの色が褐色や茶色のほうがしっかり熟していて、鮮度の良いものはひげもしっとりとしています。
皮つきのものは皮の緑色が濃く、ずっしりと重いものが新鮮でみずみずしいでしょう。
中が見えている状態であれば、粒が大きくつやがあり、先端まで詰まっているものが味も良いといえます。

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■とうもろこしはすぐに茹でて
とうもろこしは収穫直後がとくに甘いといわれます。できるだけ早く食べるか、食べない場合でもゆでて冷蔵または冷凍で保存しましょう。たくさんのとうもろこしを一度に加熱するならゆでるか蒸すのがおすすめ。1、2本を簡単にというときは電子レンジが便利です。
・ゆで方のポイント
皮付きの場合は、加熱する直前に皮をむきます。たっぷりの湯または水に塩を少々ととうもろこしを入れて茹でます。湯から茹でるとシャキシャキと、水から茹でるとジューシーに仕上がります。
・蒸し方のポイント
蒸し器をセットして蒸気があがったら、強火のまま、やわらかくなるまで蒸します。フライパンで焼いてから少量の水を入れ、ふたをして蒸し焼きにする方法もあります。
・電子レンジで加熱する
外側の皮をむき、薄皮を1~2枚だけ残して、1本ずつラップで包みます。包む前に水をかけるとさらにふっくらと仕上がります。1本の場合、4~5分を目安に、電子レンジで好みのやわらかさになるまで加熱します。

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