お月見には、月見だんごが供えられます。穀物の収穫に感謝し、米を粉にして、月に見たてて丸めて作ったのが月見だんごのはじまりです。月と同じく丸いだんごをお供えし、それを食べることで、健康と幸せが得られるとされています。また、「十五夜」は、芋の収穫を祝う意味を込めて「芋名月」ともいい、里芋料理の「きぬかつぎ」なども供えます。
十五夜の夜だけは、子どもたちはよその家のお供えものを盗って食べてもよいとされていました。盗まれた家は、「月の神様が食べてくれた」「よいことがある」ということで歓迎していたそうです。
これには2つの説があります。
①満月の数に合わせて12個
その年に出た満月の数を供えるので平年は12個、うるう年は13個となります。
②十五夜だから15個
十五夜だから15個。15個の並べ方は、下から9個、4個、2個となります。
同様に十三夜の月見だんごは13個となります。
昔は月の満ち欠けによって暦が作られ、農作業が進められていたので、満月の数や、新月から何日目の月かということには大きな意味があり、それがだんごの数になったのです。
月見だんごの作り方
【材料】
米粉(だんご粉)...120g
水...80~90cc
※だんご粉は、うるち米ともち米を同量混ぜたもの。
【作り方】
①だんご粉に水を混ぜ、耳たぶくらいの固さになるまで、手でこねる。
②こねた生地を15等分、または12頭分にし、手のひらで転がすようにして丸い形に整える。真ん丸は葬式の枕だんごに通じるので、ほんの少しつぶす。
③たっぷりのお湯を沸騰させ、丸めただんごを入れる。だんごが浮き上がってきたら、そのまま2~3分ゆでる。
④ゆであがったら冷水にさらす。
さらにバットなどに広げてあおぐと、きれいな照りが出ます。
並べ方は上記を参照してください。
お供えがすんだら、あんこやきなこなど、お好みの味で楽しみましょう。
秋の初物である「きぬかつぎ」も、十五夜には欠かせないお供え物。里芋の小芋をゆでたものですが、するりと皮をむくと白肌があらわれることから、高貴な家の女性がかぶる布に似ているということで「きぬかつぎ」と名付けられました。
きぬかつぎの作り方
【材料】
里芋(小芋)...15個または12個
塩...小さじ1~2
ごま塩...少々
【作り方】
①里芋はよく洗って皮付きのまま鍋に入れ、ひたひたの水で柔らかくなるまでゆでる。
アクはまめに取る。
②ゆで上がったら、塩を加え、火を止めて10分間そのままにしておく。
③ざるにあげ、水気を切ったら、芋の上と下を少し切る。ころんとした形を残したいなら上だけ皮をむく。
④皮をむいたところに、ごま塩をふってできあがり。頭をつまむとするっと皮がむけます。
口にツルッと入って一口で食べられるのが、きぬかつぎのよいところ。いくつでも食べられそうですね。
料理以外にも、お月見気分を盛り上げるお菓子があります。
・うさぎ饅頭...この時期の和菓子屋さんには、お月見用のかわいいうさぎがいっぱい!
・月餅...中国のお月見に欠かせない厄払いのお菓子です。
・どら焼き...月に見たてて丸いどら焼き。コンビニでも手軽に購入できます。
お好みのものを用意して、お月見を楽しみましょう。