暑中見舞い

季節のご挨拶状には、年始のご挨拶の「年賀状」、冬の「寒中見舞い」や「余寒見舞い」、夏の「暑中見舞い」や「残暑見舞い」があります。
季節の移り変わりを感じ、先方の健康や繁栄を願って送る便りは、細やかな心遣いと四季のある日本人ならではのもの。日頃の連絡は電話やメールで簡単にできますが、季節の便りが届いたら、やはり嬉しいもの。堅苦しく考えないで、今年の夏は受け取った方の笑顔を思い浮かべながら、暑中見舞いを出してみませんか。

暑中見舞いイメージ

暑中見舞いの由来

「暑中見舞い」は、暑中にお盆の供物や夏負けをふせぐ食べ物を持参して挨拶をする習慣が大正時代に簡素化され、挨拶状をやりとりするようになったものです。
お盆の供物を贈る習慣はお中元に変化していったため、お盆を過ぎると表書きを「暑中見舞い」とするわけです。
挨拶状を送る習慣は、親交を深めるツールとして発達していきました。

暑中見舞いを出す時期

「暑中」とは、暑い最中と察しはつきますが、実は二十四節気の「小暑」と「大暑」をさします。
「小暑」は7月7日頃~大暑までのおよそ15日間
「大暑」は7月23日頃~立秋までのおよそ15日間
この小暑と大暑を合わせたおよそ30日間が「暑中」です。

また、夏の土用(立秋前の約18日間)を暑中とする場合もあります。
「暑中見舞い」はこの「暑中」の期間に出すものですが、梅雨の最中はさすがに的外れなので、梅雨明けが明けてから出し、立秋(8月7日ごろ)を過ぎたら「残暑見舞い」にして、8月末までに届くようにします。

基本的な構成

相手によって書き方も違ってきますが、文面構成の流れに沿うと書きやすいでしょう。残暑見舞いも同様です。

1. 暑中(残暑)見舞いの挨拶
2. 相手の安否を気遣うことばや無沙汰をわびることば
3. 自分の近況など
4. 相手の健康や息災を祈ることば
5. 後付(日付、差出人名など)

アレンジポイント

あえて「暑中お見舞い申し上げます」と決まり文句を書かず、「梅雨が明けて夏本番となりましたが、お元気ですか」「暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか」のように書き出しても構いません。ひと味違う暑中見舞いになりますね。暑中を過ぎたら「残暑が続いておりますが」とすればOKです。

相手を立てる気遣いを

相手を立てて書くのも大切で、話題の順番は相手が先で自分はその後にします。
書く位置も相手の名前や話題が自分よりも下にならないよう配慮しましょう。
例えば「私は元気ですが、そちらはいかがでしょう」はNGです。

目上の方に送る場合は

「見舞う」という言葉は本来目上の人から目下の人に使う言葉なので、「暑中お伺い申し上げます」「残暑お伺い申し上げます」となります。文章も敬語を使うように気をつけます。

切手選びもひと工夫

手紙やはがきを受け取ったとき、美しい切手が貼ってあると嬉しいですね。普通切手で届くのに、わざわざ美しい切手を貼ってくれたその気持ちが嬉しいのです。
特殊切手や季節にちなんだもの、ふるさと切手、グリーティング切手などもあるようですので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
http://www.post.japanpost.jp/kitte_hagaki/index.html

また、はがきによっては切手を貼る位置も気をつけましょう。

【通常の場合】

通常の場合イメージ

【はがきを横長に使う場合】

はがきを横長に使う場合イメージ

【表面に文章を書く場合:縦】

表面に文章を書く場合:縦イメージ

【表面に文章を書く場合:横】

表面に文章を書く場合:横イメージ

暑中見舞いを楽しく作るコツ

①書きたい人に書く

出さなければいけない便りではありません。出したい人だけに出せばいいのです。
ご無沙汰している友人、お世話になった方、気になるあの人など...。例えばおしゃれなポストカードを見つけた時に、心に浮かんだ人へ。
出したい気持ちを大切にすれば、自分の言葉で書け、気持ちや様子も伝わります。

②絵や写真で文章量を少なく

絵や写真を入れれば、文章も短くてすみ、形式にとらわれず書けます。
方法もいろいろあります。
・市販の季節の絵はがきを使う
・インターネットでフリー素材を見つけて印刷する
・デジタルカメラで撮った写真を貼り付けて印刷する
・手書きでイラストを描く
・切り絵やスタンプを使う
センスのよい暑中見舞いグッズも豊富な時期です。選ぶのも楽しいですね。

③旅先から出す

夏休みにあたる時期なので、旅行に行かれる方も多いでしょう。旅先から絵はがきを送れば、旅の話題も盛り込め、リラックスした雰囲気で書けます。下手なおみやげより喜んでもらえます。

相手をいたわり、コミュニケーションを深める暑中見舞い。昔ながらの風習が、今とても新鮮に届くはずです。

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