2018年05月27日

おはぎ・ぼたもち

お彼岸のお供えものの定番といえば「おはぎ」や「ぼたもち」。
いずれも、もち米とうるち米を混ぜて炊き、適度につぶして丸めたものを小豆あんで包んだ和菓子ですが、季節によって呼び名や作り方が変わります。その違いを比べてみると・・・

 

【ぼたもち】

pixta_5597016_Sおはぎ(こしあん).jpg


・春に咲く牡丹の花にちなみ、春は「ぼたもち」といい、「牡丹餅」と書きます。
・牡丹は大きくて丸い花。そこで「ぼたもち」は大きめで丸い形に作ります。
・材料となる小豆は秋に収穫されるので、冬を越した春は、固くなった小豆の皮を取ってこしあんにして使っていました。だから「ぼたもち」はこしあん

 

 

【おはぎ】

 pixta_6564556_Sおはぎ(つぶあん).jpg


・秋は萩の花にちなんで「おはぎ」といい、「御萩」と書きます。
・萩は小さくてやや細長い花。そこで「おはぎ」は小ぶりで俵の形に作ります。
・材料となる小豆は秋に収穫されます。とれたての小豆が使える秋は、皮ごと使った粒あんを使っていました。だから「おはぎ」は粒あん

現在は、こうした違いにこだわらないものが多くなりましたが、本来は春と秋で区別していたのです。

粒あんを使った「おはぎ」は意外と簡単に手作りできますので、ご先祖様に思いを馳せながら「手作りおはぎ」に挑戦してみませんか?

 


■おはぎの作り方

【材料】(約25個分)
小豆・・・300g
砂糖・・・250g(好みで加減します)
塩・・・・小さじ1(好みで加減します)
もち米・・・2合
うるち米・・1合

 

【あんの作り方】
①小豆を水で洗ってザルにあげる。
「渋切り」をする。
・鍋にたっぷりの水を入れ、小豆を入れて煮る。
・沸騰したら小豆をザルに上げ、ゆでこぼす(ゆで汁を捨てること)。
・再び新しい水に替えて繰り返し、2~3回ゆでこぼす。
※豆の皮などに含まれるタンニンやサポニンなどの渋み成分や、あくを取り除き、あんを風味よく仕上げるために欠かせない工程です。
③鍋に小豆がかぶるくらいの水を入れ、弱火で煮る。沸騰したら差し水をする。
※途中で加える水は「びっくり水」「しわのばし水」ともいわれ、これで鍋の温度を約50度ぐらいに下げることで、小豆が均等に煮えます。
④小豆が手でつぶせるくらい柔らかくなったら、砂糖と塩を加えます。
※小豆がまだ固いうちに砂糖を入れてしまうと、固いままで柔らかくならないので注意!
⑤焦がさないように木べらで混ぜながら煮詰めていきます。かき混ぜすぎると小豆が割れて白っぽいあんになるので注意!
⑥ぽってりとしてきたら火を止め、冷ます。

 

【もちの作り方】
①もち米とうるち米を一緒に洗って、炊飯器で炊く。
②炊けたらボールやすり鉢などに移し、温かいうちにすりこぎでつぶします。
すりこぎの先を水でぬらすと、もちがくっつきにくくなります。
※もち米の粒が半分ぐらい残るようにつぶしたものを「半殺し」、粒が残らないようにつぶしたものを「皆殺し」といいます。つぶし加減はお好みでどうぞ。(つぶあんを半殺し、こしあんを皆殺しという場合もあります。)
③手に水をつけながら、もちを俵型にまとめます。

 

【成形】
①あんを適量とって、ラップの上に広げ、俵型にまとめたもちを乗せます。
②ラップを使って、もち全体をあんでくるみ、ラップを外したらできあがり。

おはぎやあんは、冷凍保存することもできます。1個ずつラップに包んで冷凍し、食べるときは電子レンジで加熱します。

 

★おはぎバリエーション
きなこやすりごまなどを使ったおはぎもおいしいもの。
ラップにもちを平らにのばし、丸めたあんを乗せてもちで包み、きなこやすりごまをまぶ
します。きなこやすりごまに加える砂糖は、量が多いと水分が出てベタベタになってしまいますので控えめに。その方があんの甘さが引き立ちおいしいです。


★おまけ
春と秋だけでなく、夏と冬にも呼び名があります。
杵を使って本格的なもちつきをする必要がなく静かに作れることから、「もちをいつついたのかわからない」と「夜の闇で船がいつ着いたのかわからない」をひっかけて夏の呼び名は「夜船」。「もちつきをしなくてもいいので"つき"を知らない」と「北向きの窓では月が見られないため月を知らない」をひっかけて冬の呼び名は「北窓」。
「牡丹餅」「夜船」「御萩」「北窓」と春夏秋冬の呼び名があるとは、実に洒落ていますね。

 


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【季節のめぐりと暦】雑節とは/彼岸

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