3月の和風月名は「弥生(やよい)」。暖かな陽気になり草木がいよいよ茂るという意味の「弥生(いやおい)」がつまって「弥生(やよい)」になったとか。
「弥(いや)」は「いよいよ」「ますます」などの意味で、「生(おい)」は、「生い茂る」というように草木が芽吹くことを表しています。
さらに、旧暦の3月は桜が咲くころなので「花見月(はなみづき)」、「桜月(さくらづき)」、「花月(かげつ)」などの別称もあり、どれも春らしくてステキな名前ばかりです。
うららかな日も増え、桜の花の便りが待ち遠しいですね。
さて、もうすぐひな祭り。本来は「上巳(じょうし)の節供」といいます。ひな人形を飾り、女の子の健やかな成長を願う行事として親しまれています。
親王飾りや段飾りなどが一般的ですが、「つるしびな」というかわいいひな飾りもあります。
布で小さいお人形や細工物をたくさん作り、糸でつないでつるして飾るというもので、江戸時代から始まったといわれています。ひな人形が流行り、富裕層のためにどんどん豪華なひな人形が作られる一方、一般庶民には高価なひな人形はそうそう買えるものではありませんでした。それでも生まれてきた子どもの幸せを願う気持ちはみな同じです。お母さんやおばあちゃんが小さな人形を作って、つるして飾ったのが始まりだそうです。
つるしびなには、生活用具から食べ物、花や動物など、さまざまな細工物がありますが、子どもが衣食住に困らないように、その一つ一つに意味や願いが込められています。
山形県酒田市の「傘福」、静岡県東伊豆町稲取の「ひなのつるし飾り」、福岡県柳川市の「さげもん」が有名で、三大つるし飾りと称されています。
このように女の子の大切なお祭りである「ひな祭り」ですが、実はもともと女の子だけのお祭りではなく、春を寿ぎ、無病息災を願う厄祓い行事でした。皆に愛され、大切に引き継がれてきたひな祭りの由来について、詳しくはこちらをご覧ください。
【暮らしを彩る年中行事】五節供とは/上巳:桃の節供
http://i-nekko.jp/nenchugyoji/gosekku/jyoushi/
【季節のめぐりと暦】和風月名
http://i-nekko.jp/meguritokoyomi/zassetsu/wafuugetumei/
2016年02月29日