二十四節気のひとつ「秋分」は、昼と夜の長さがほぼ同じになり、この日を境に日の出が遅く、日の入りが早くなり、本を読みふけったり、趣味に没頭したりできる「秋の夜長」になっていきます。
「祖先を敬い、亡くなった人を偲ぶ日」として国民の祝日でもあります。
秋分の日の前後3日間、合計7日間は秋の彼岸(秋彼岸)といい、先祖の墓参りをする習慣があります。仏教では、あの世は西に、この世は東にあるとされ、太陽が真東から昇って、真西に沈む春分の日と秋分の日は、あの世とこの世が最も通じやすい日と考えられ、春と秋の彼岸にお墓参りをするようになったのです。他の仏教国では彼岸にお墓参りをする風習はなく、日本独特のものです。
■暑さ寒さも彼岸まで
「暑さ寒さも彼岸まで」とは、春分の日を境に寒さが和らぎ、秋分の日を境に暑さも和らぐということを表した言葉です。彼岸は春の種まき、秋の収穫とも結びつき、自然に対する感謝や祈りがご先祖様に感謝する気持ちにもつながって、大切な行事となりました。
■彼岸花
彼岸花は、まるで彼岸に合わせたかのように、秋分のころに咲くことから名づけられました。別名を曼珠沙華(まんじゅしゃげ)といい、サンスクリット語で「天界に咲く花」を意味します。1日に10㎝以上も伸び、花のある時期には葉がないのが特徴です。球根には毒がありますが、昔は水にさらして毒を抜き、万一の時の非常食にもなりました。
※こちらもあわせてご覧ください。 → 彼岸
※こちらもあわせてご覧ください。 → お墓参りの作法
※こちらもあわせてご覧ください。 → おはぎ・ぼたもち