私たちの暮らしは、様々な年中行事で彩られています。年中行事には、お正月や五節供のように貴族や武家の儀式からきているものや、節分や彼岸のように暮らしに深くかかわる雑節から生まれたものなどがありますが、いずれも文化や季節感を大切にし、行事を通じて日本の心が養われるものばかりです。

こうした日を「ハレ」(非日常)と呼び「ケ」(日常)と区別しますが、「ハレ」の日を過ごすことで心身に潤いを与えて「ケ枯れ」を防ぎ、明日への活力にしてきたのです。

また、ひとつひとつの行事には深い意味が込められています。毎年同じ時に同じような経験を重ね、他の人と共有できる体験をして、自分をとりまく様々な物事に気づくことで、心豊かに過ごせるはず。暮らしを彩る年中行事は、人生を彩る行事でもあるのです。