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2018年05月26日

ひつまぶし


土用の丑の日のごちそうといえば「鰻の蒲焼」。「ひつまぶし」は、鰻の蒲焼を3つの食べ方で楽しむ、3度おいしい名古屋の名物料理です。

 ひつまぶし.pngのサムネイル画像

 

木曽川の天然うなぎが手に入りやすかったことから、日本料理店などで出されていたようですが、当時は一人前ずつのうな重やうな丼ではなく、お櫃にごはんと刻んだ鰻の蒲焼を入れ、1杯ずつ茶碗によそって食べていたので、そこから、1杯2杯3杯と味わいを変えて楽しむ食べ方が生まれました。「ひつまぶし」の名前の由来は、細かく刻んだ鰻をお櫃のごはんにまぶすことからという説のほか諸説あります。

 


■ひつまぶしの食べ方
◎1杯目
お櫃の中のごはんの4分の1量を茶碗によそって、まずは、「うな丼」にして鰻の味をそのまま味わいます。好みで粉山椒をふっても。
◎2杯目
次にのり、わさび、万能ねぎなどの薬味をたっぷり入れて食べます。
◎3杯目
さらに温めただし汁をかけて「うなぎ茶漬け」で食べます。
◎最後の1杯
最後は3つの中から気に入った食べ方で食べます。

 

目先を変えて、いろんな風味で味わえるちょっと贅沢な楽しみ方ですね。
名古屋まで食べに出かけるのは無理でも、家庭で作ってみてはいかがでしょう。

 

・家庭で作るひつまぶし
【材料】(2人前)
ごはん・・・どんぶり2杯分
鰻の蒲焼・・・1串(焼いたもの)
万能ねぎ・・・1~2本
練わさび、のり、粉山椒・・・少々
だし汁(湯 2カップ、昆布茶 小さじ2、塩 少々)

 

【作り方】
①焼き網またはグリルで鰻の表面をサッと焼く。タレがあれば塗っておく。
②鰻を縦半分に切り、さらに1cm幅に切る。
③のりは千切り、万能ねぎは小口切りする。

 

【食べ方】
お櫃、または大きな器にごはんを盛り、鰻をのせて、上記「ひつまぶしの食べ方」の通りにお茶碗に取り分けながらいただきます。
お櫃の代わりに丼ぶりを用意し、1人分ずつごはんと鰻の蒲焼を盛って、3種類に味わいを変えながら食べる方法もあります。

 


※「ひつまぶし」は名古屋市の料理店「あつた蓬来軒」の登録商標になっています。

 


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