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2019年01月16日

手作りみそ

小寒から節分までの1年で一番寒い時期を「寒の内」といいますが、この頃は雑菌も繁殖しにくいので、凍り豆腐、寒天、酒、みそなどの仕込みに最適です。この中で、みそ作りは家庭でも意外と簡単にできますので、作ってみてはいかがでしょうか。
ここにあげたのは、大豆1㎏でみそ4㎏を作る場合のレシピの一例です。ぜひ、お試しください。

手作り味噌.png

■手作りみその作り方

【準備する道具】
みそがめ:
大豆1kgの場合5.4リットルのものを用意。陶器製、ホーロー製、プラスチック製のものなどがあります。
ボウル・ざる:
直径30cmぐらいのものを用意。大豆を戻したり、麹と混ぜたりするときに使います。
大きめの鍋:
直径30cmぐらいで深めのものを用意。大豆を煮るときに使います。
フードプロセッサーやハンディーミキサー:
大豆をつぶすときに使うと楽につぶせます。ちょっと手間はかかりますが、マッシャー、ポリ袋と麺棒、すり鉢とすりこ木などを使ってもできます。
ラップ、重石用の塩(800g):
かめに敷き詰めたみそをラップで覆い、塩を入れたポリ袋を重石として乗せます。
新聞紙と紐:
保管するかめを覆います。

【材料】みそ約4㎏(塩分量約12.5%)ができる分量です。
大豆:1kg 
米麹:1kg(または乾燥麹800g) 
塩:約430g 
種みそ:250g 
殺菌消毒用アルコール(アルコール度数35度以上の焼酎など)

【作り方】
(1)大豆を戻す
仕込みの前日に、大豆を洗って、大豆の3~4倍の水に一晩浸します。吸水後、大豆は約2倍の大きさになります。

(2)新しい水に替えて大豆を煮る
①鍋に大豆を入れ、大豆の2倍量の新しい水を加えて3~5時間煮ます。アクを取りながら、湯が少なくなったら足して、大豆が指先で潰せるくらいの柔らかさまで煮ます。
②柔らかく煮えたら、ざるにあげて、煮汁をよくきります。
★煮汁は種水用に300cc残して塩43gを加えておきます。

(3)熱いうちに大豆をつぶす
熱湯消毒したボウルに大豆を入れ、マッシャーなどでつぶします。冷めるとつぶれにくくなるので、手早く。フードプロセッサーを使うときは、数回に分けて入れます。

(4)みそがめの準備
みそがめの内側をアルコールで拭いて消毒します。さらにかめ底に塩を1~2つまみ(分量外)をまんべんなくふり入れます。

(5)塩と麹を大豆に混ぜる
鍋またはボウルに米麹と塩430gを入れ、両手で下からすくうようにしながらよく混ぜます。
★乾燥麹を使う場合は、あらかじめぬるま湯で戻しておきます。
乾燥麹に30℃以下のぬるま湯200ccを加えてかき混ぜ、30分ほどおいて戻します。

(6)全部を混ぜ合わせる
塩と麹を混ぜたものに、つぶした大豆、種みそを入れて、小指がすっと入るくらいの柔らかさになるまでよく混ぜます。固い場合は種水を少しずつ加えて調整します。

(7)みそ玉を作り、かめに詰める
①(6)をおにぎり大に丸め、みそ玉を作り、かめに3~4個詰めたら上から手の平で押して空気を抜きます。これを繰り返してすべてかめに詰めたら、表面を平らにして1~2つまみ塩をふります。
②かめの内側と縁をアルコールできれいに拭いて、空気が触れないようラップをみその表面に貼りつけ、重石用の塩袋を乗せます。

(8)冷暗所で保管
かめに蓋をし、新聞紙で覆い、紐で縛ったら直射日光の当たらない、涼しい場所に置きます。
冷蔵庫に入れる必要はありません。

あとは、じっくり発酵を待つだけですが、梅雨の前後に「天地返し」をすると、大豆が空気にふれ、微生物の働きが活発になり、発酵が促進されて風味が増します。

【天地返し】
①みそがめのふたを開け、カビが生えていたらその部分だけ取り除き、「たまり」(みそからしみだした液体)が上がっていたら、みそに混ぜます。
②みそ玉を作りながら、かめからみそを全て出します。
③かめの内側をアルコールで拭いて消毒します。
④かめの上部にあったみそ玉から順にかめに戻し、作り方(7)と同様に詰め、封をします。

作ってから6ヶ月ぐらいから食べられますが、食べごろは秋ごろから。密閉容器などに小分けして冷蔵庫に入れておくと使いやすいです。
何年も熟成させるみそもありますが、家庭での手作りみそは保管の温度や湿度の調整が難しいので、1年くらいで食べきったほうが良いようです。

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